読了記録②「繕い裁つ人」

これは漫画だが、なんとなく感想を書きたかったからとりあえず記録を。
オートクチュールをつくりつづける人の日常的なシーンを切り取ったようなストーリー。劇的な展開はなくても緩やかな進展で関わった人が最後には少し前とは変わっているような気がする。1巻だけ読もうと思ったが、全巻よんでしまった。読み終えた後に知ったが映画化するらしい。


感想としては「そっか。洋服もそうだったな」というなんとなく気づかされたような感じ。
私は空間とか建築物の分野で一貫して考えていることがあって、
人の生活をモデル化やタイプ化して個々に対してでなく大衆向けな発信の仕方というかそういうもののつくりかたに反感があって、私が入っている会社もそうだが万人にウケるものにとらわれていて良いものつくったって感じがしない。でもそれはクライアントがそれを求めているし、そういうものにしかお金を払えないのだということは知っている。
もっと人のスケールにあったもの、個々に対してのものをつくっている現場にいきたいなと考えていて。それを建築をベースとしてやっていこうと最近きめてもう一度学校にいく訳だが。。
この本を読んで、そもそも洋服もそうか。S、M、Lで大衆向けの基準を決めて大体がそういう買い物しかしていないから肩幅や足の長さがピッタリ合っていなくたって、自分のサイズに合っているかどうかなんて考えなくなってくる。色々な服装を選べるようになったからこそ、欲が増大したからこそ、疎くなった部分もあるのだなと。そもそも洋服でなくても住宅でなくても食器も小物も人にかかわるすべてのものが大衆向けに発信されたものを購入して集まってきたもの達ばかりだ。

色々考えていると色々な境目が怪しくなってくる。私はそういう時「そもそもは・・・」と考えてしまうのだが。それは時代性もあるし、個々の考えもそうなってきているのかなと思う今日このごろ。

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